Extension tableの蟻溝(アリミゾ)を突いています。この溝をレールにして伸縮する仕組みになっているので、要とも言える加工です。
この溝です。
ビフォー(左)アフター(右)
一度で蟻型にしないのは、刃物への負担が大きく折れてしまうこともあるから。まず荒取りしてから、蟻型で正確に彫っていきます。
なんでアリ?と思う方もいらっしゃると思いますが、木工・家具業界では当たり前に通じる用語。先が広がった台形のことを「蟻」と呼びます。
天板の反りを止める「吸い付き蟻桟」、指物で箱を組むときによく使われる「留型隠し蟻組み接ぎ」などなど、よく使われる形です。
由来は、アリの頭の形に似てるからという説明をなにかで見たことがありますが、イマイチわからないですよね。
※音量注意!
前後と上下には絶対に動いてはいけないので、しっかりとガイドをつけ、一方通行しかできないようにしています。正確に均一な加工をするための工夫です。
ばらつきが出てしまうと、この後の加工を全て現物に合わせなければいけなくなります。
一点物を作る場合はそれでいいのですが、10台20台となると、いかに均一な加工をできるかが重要になります。
そのために治具を作り、機械のクセを理解し、材料の状態を読み、力のかけ方まで気を使います。
材料の状態を読むということは機械にはできませんから、無垢材の家具作りには職人の経験と勘が不可欠なのです。
今日はいつにも増して職人目線のマニアックな話になってしまいました。