北の住まい設計社の家具のユーザーさんのお宅を訪ね、お話を伺う使い手インタビュー「ライフ&シングス」。第一弾は、Console Chest(コンソールチェスト)をお使いいただいているHさんのお宅を訪ねました。
椅子研究家・織田憲嗣氏の言葉に強く影響を受けたというHさん。
それは「家具は一生モノにとどまらず二生・三生(子や孫の世代まで)使えるモノを」という言葉でした。
織田氏が提唱する「モノの寿命」は、
1 素材の寿命 2 構造の寿命 3 機能性の寿命 4 デザインの寿命 +α パッション(愛情)
このうちどれかひとつが欠けても、その製品の寿命が尽きるというもの。
その考えをモノ選びのポリシーとし、以前から憧れだったという北欧の名作たちを一つずつ集めていったというHさん。家づくり、そして家具選びに並々ならぬ情熱を注いでいることがわかるものを見せていただきました。
それが、この家具の候補や検討時のメモがびっしり詰まった、厚さ5cmほどのファイル。これでもほんの一部というから驚きです。
コロナ禍で家にいる時間が長かったこともあり、インテリアに「全力投球」したといいます。
そんなHさんに、私たちの家具をお選びいただいた理由を伺いました。(かわいらしい娘さんも一緒に)
ー ここに配置する家具の条件はどのようなものでしたか?
リビングの細かいモノ(リモコンなど)を収納できること、電話台としても使えること。
機能の条件としてはこれくらいで、この空間や他の家具との相性を考えながら候補を絞っていきました。
ー 他の選択肢はありましたか?
北欧のメーカーのキャビネットやヴィンテージ、国内の他のメーカーも調べ尽くして、検討しました。
その上で、全て無垢材という作りの良さに加え、オニグルミの色味や軽やかな脚、真鍮のつまみが、
これまで集めてきた家具や照明との相性がいいと思い、決めました。
ショールームで実物を見た時、夫婦揃って一目で気に入ったことも大きかったですね。
ー 実際に家に置いてみて、どうでしたか?
リビングが吹き抜けになっていて天井が高いのですが、コンソールチェストの背が高いので、バランスが良いと感じています。
また、オイル仕上げのオニグルミの色味が、グレーの壁のアクセントとなり、空間が引き締まって見えるのもよかったです
ー 使い心地はいかがですか?
引き出しがスルスル動いて気持ちがいい(笑)
木製のレールがこんなにも軽快なことに驚きました。
あとは見た目以上に収納力があって、細かい仕切りも便利。細々した文房具類や、腕時計を並べたりしています。
大好きな照明との相性も良く、何を置いても様になるところも気に入っています。
ー モノを選ぶときに大切にしていることはなんですか?
素材でいうと、無垢材や革、真鍮など、「時間が経った方がカッコよくなるもの」が好きですね。
新品より経年変化した後の方が好きっていうことが多いです。靴も手入れを楽しみながら愛情を注いでいます。
家具も一緒で、ソープ仕上げやオイル仕上げの家具はメンテナンスを楽しめる。
愛情を注ぐほど美しく育っていくと思っていますし、そういうモノを選ぶようにしています。
手入れをした家具の美しさをみなさんに知ってほしいというHさん。
新品時が最高ではなく、自分の手で美しさに磨きをかけられること。
本物の素材が持つ大きな魅力だと改めて感じました。