GOOD NEWS PRESS by KITANOSUMAI SEKKEISHA

WORKS  メモリアルキャビネットを製作しました。

最近お仏壇のご相談が増えてきました。
その背景には、住環境の変化によって和室がない家庭も増え、従来のようなお仏壇を置くことができないという現状があります。

置く場所が無いからといって、お仏壇を置かないという選択も難しい場合があるでしょうし、故人を偲ぶ場所を暮らしのそばに置きたいという想いも感じます。そんな中で、今の暮らしのそばにあって違和感のない、「追憶のための家具」を考えていく必要があるのかなと思います。

「家具調仏壇」や「現代仏壇」という言葉も目にしますが、私たちは仏壇屋さんではなく家具屋ですので、「家具のようなお仏壇」ではなく家具として考えたいですし、お客様もそれを望まれているはずです。

また、「お仏壇」というと、宗教によって考え方も様々ですし、伝統を重んじる雰囲気があるため、
北の住まい設計社では「メモリアルキャビネット」と呼称してみることにしました。

2件、製作事例をご紹介します。

まずは北海道産イタヤカエデで製作した、巻き戸が特徴のメモリアルキャビネット。

イタヤカエデの白さが清潔な印象を与えてくれます。
お客様のご希望や設置場所の条件も伺いながら、サイズや構成を決めていきました。


上段の戸は巻き戸になっており…

このように戸が側面に回り込んでいくので、全開にすると戸が隠れ、開けたままでもスッキリとした印象を保つことができます。

普段は開けたままにしておいて、来客時などには閉める、という使い方に適した作りです。

将来のメンテナンス性も考慮し、見えないところでは複雑な作りになっています。

引手は、巻き戸の棒材の形と違和感なく馴染みながらも、野暮ったくならないようエッジを残して。

内部には仏具を置いたまま引き出せる台も設置。もちろん、背板も含め全て無垢材で作っています。

下台の中には高さを変えられる棚板を。思い出の品などを大切にしまっておくことができます。

もうひとつはチェリー材で製作したもの。

現在私たちの家具作りは北海道産材しか使用していませんが、10年ほど前まではチェリー材も使用していました。
その当時の材料を大切に保管しており、わずかですがまだ残っています。

お客様のご希望で、チェリー材で製作させていただきました。

こちらは折戸の仕様です。

開くとこのような形に。折戸なので開けた時の扉の幅が抑えられ、開けたままでも邪魔になりません。

引き出せる棚板と、

その下には引き出しを設け、小物をしまっておける仕様です。カタログ製品と同様、底板まで無垢材で製作しています。

北の住まい設計社では、随時特注家具のご相談を承っています。
ご希望の用途や設置場所、条件などをご提示いただき、数回のやりとりとご提案を経て仕様を決めていきます。

図面だけではイメージするのがが難しい場合もあるので、CGで立体的にご覧いただけるようにご提案をしています。


私たちは、日々学びながら経験を積み、それを生かして、
木にもお客様にも満足していただけるようなものを作りたいと考えています。
「こんな家具があったら…。」
職人集団だからできる特注の家具。
お近くの店舗または弊社までぜひご相談ください。

About The Author

北の住まい設計社デザイナーShiroura
1995年帯広生まれ。家具(またはギター)職人を志し、おといねっぷ美術工芸高校に進学。
そこでデザインと出会い、大学では家具にとどまらず、建築やグラフィックのデザインも学ぶ。
2018年北の住まい設計社に入社。1年ほど家具製造に従事した後、現在は主に製品開発や特注家具の設計を担当。

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