北の住まい設計社の家具は、北海道で育った無垢材だけを使って作っています。
できあがった家具や家具作りの現場だけ見ていると忘れそうになりますが、木は、森に立っていたんです。
芽を出し、根を張り、家具材として使える太さになるまで最低でも60年、
その場所で生き続け、北海道の厳しい冬を越えてきました。
そして、同じものはひとつとして存在しない。
根を張った場所の日当たり、傾斜、風、土。さらには海が近いとか火山が近いとか、
本当に様々なことが要因となって、個性が現れます。
先日伺った、私たちの家具作りに欠かせない大切なパートナー、鈴木木材さん。
道産広葉樹を専門に扱う製材工場で、木の個性を生かすことをとても大切にされています。
それぞれの丸太が育った環境や、斜面に対しどう立っていたか、どこから刃を入れたら無駄なく生かせるか。
鈴木さんはその豊富な経験と知識で数多くの情報を丸太から読み取り、個性を生かす木取りをします。
育った環境による個性は、もちろん木目や木の色味にも表れ、
「イタヤカエデ 」「ミズナラ」と種類分けされた木であっても、その表情は千差万別です。
ともすれば「欠点」とされ排除される特徴も、見方を変えればその木が懸命に生きた証と考えることもできます。
そして「美しさ=欠点がないこと」ではないはずです。
もちろん家具としての強度や機能を損ねないことは前提ですが、
木が持つ本来の美しさを表現した家具作りを目指したいと思います。
北海道の木の美しさを引き出すために、家具をデザインする。